なかなかレアな細野さんのソロ名義でのライブ。
弟とふたりで鎌倉芸術館(大船)まで足を運んできた。
細野さんの音楽を聞いたのは小学生の頃のYMOが最初。
(プロレスラー『南海の黒豹』リッキー・スティムボートの入場テーマ曲がYMOのライディーンだったのだ)
当時プロレス狂の小学校4年生。
早速レコードを買って来てライディーンを聴きまくった。
僕はそうやってプロレスと音楽を繋げてきたのだ。そして今でもそのどちらもライフワークだ。
ロックを聞き出して数年後、ちょっと大人になってから日本の70年代のロックに興味が出て来た。
そこで『はっぴいえんど』や『エイプリル・フール』という細野さんが所属したバンドにハマった。
YMOの頃しか知らなかった僕ははっぴいえんどの細野さんがとても同じ人とは思えなかったがはっぴいえんどののほうが何十倍も好きになった。
しかも70年代には細野さんが僕の実家である狭山に住んでいたと知ったのは20代半ばになってからだった。
そんな共通点を見い出してから勝手に親近感が湧いて来て、細野さんの人柄やキャラに至るまで愛さずにはいられないのだ。
今回のライブは『鎌倉LIVE 2012』と銘打って大人なライブ空間を演出。
今現在の細野さんを魅せてくれた。
細野さんはその時々で彼の中の流行りがあるので、その時にしか聞けない曲やそのライブでしか演奏しない曲が多い。
今回は昨年出た『HoSoNoVa』というアルバムのテイストに乗っ取って1920〜40年代のアメリカやイタリアの曲に日本語を乗せて歌ってみせた。
JAZZっぽかったりボサノヴァチックでもあり、でも三味線なんかも入りあらゆるルーツ音楽を細野さんテイストで混ぜ合わせて出来る珠玉の曲達。
細野さん、こういうのは得意だよなぁ。
この日もとてもあたたかいお客さんが集まり、その中で気持ち良さそうに演奏する細野さんを観ているうちにどんどん引き込まれ、なんだかいつの時代を彷徨っているのかわからなくなるような錯覚に陥った。
そのくらい時代も、テイストも混ぜこぜな音楽なのに心地良い音。
僕は大好きな細野さんがライブをやっている時代に間に合った幸せ者だ。
いつかは細野さんも年を重ね、ライブもやらなくなるだろう。
間に合った者としてまだまだ追いかけていくのが筋というもの。
僕は『70年代』の細野さんとその時その時の『今』の細野さんが好きなんだと思う。
ルーツも大事、現在進行形も大事。
これは 人生 にも通ずる、かな。